いつもありがとうございます。hug-lumaです。
今回はkintoneにおける「入力」「分析・集計・参照」のUI/UXについてや、集計の際のロジックを組むのは「プッシュ」か「プル」か・・・という点について、語ってみようかと思います。
1.「入力」を科学する
入力については、とにかく「画面数」「遷移数(スクロール)」「フィールド数」が少ないことにこしたことはないと思います。とくに欲張っていくと、フィールドの数が非常に多くなっていく傾向にあります。
その気持ちは、Excelのときにあったであろう、「1ファイルですべて済ませたい」という気持ちの表れです。(kintoneの中では「1アプリにまとめたい」という気持ち)
まとめたい気持ちを表現することも多々ありますが、そうしてしまうと、Excelとなんら変わらないです。もしかしたら入力の仕方を工夫する(例:PCでしかできなかったものが、モバイルでも入れられるようになる)という点においてはメリットがでているかと思います。入力がスムーズに行けたとしても、その後のデータの取り扱いという点については、やはり自由度がそこまで出ないことが多いと感じています。
入力のしやすさをkintoneの中で確保するには、いろんな手段があると思います。
・同一内容のフィールドを使うなら「テーブル」を使ってみる(同じフィールド名が、テーブルにならずに複数フィールドを置いていくケースを回避。結構よくある)
・タブ表示系のプラグインを活用し、とにかく「スクロール」をなくす(タップ・クリックすることで表示フィールドを切り替えられる)
・条件によって不要になるフィールドは「条件分岐処理プラグイン」を活用して、非表示に設定していく(ただし、設定しすぎてカオスに注意)
・ルックアップの「取得」を、押さずに取得できる「自動ルックアップ系のプラグイン」を合わせて活用する
中にはPCブラウザのみ対応だったり、モバイル対応だったりするものもあると思いますし、すべてが無償というわけではないはずです。とはいえ、この時にコストを考えるなら「これ、人がやったらどれくらいかかる?」「その時の工数に比べたらどうか?」という視点で考えてみてください。そうすると、有償プラグインも価値があるものに見えてくると思います。
2.分析・集計・参照を科学する(プッシュ・プル含む)
kintoneはデータが入ったアプリでそのままグラフを表示できたり、集計することも可能なメリットがある一方で、入力しやすさに振り切り、テーブルを活用し過ぎてしまうと、集計の「幅」を出すことがこんなケースが多いです。テーブルにはテーブルの限界があり、フィールドになっていることでもっと多くの集計がしやすくなるケースがほとんどのように思えます。
前述した「入力しやすさ」を担保しながら、管理側の「集計しやすさ」を両軸で叶えていくにはどうする必要があるか。ここもさまざまな工夫がありそうです。
・テーブルで入力したデータを、ボタン一発で別アプリに「明細」のようにレコードに分割する仕組みを活用する(テーブルデータコピープラグイン系の出番)(プッシュ方式)
・テーブル自体を「関連レコード一覧」フィールドのように活用でき、かつ集計機能も備えたプラグインで一挙両得(プル方式)
分析・集計・参照は、kintoneの魅力の一つでもある「アプリを超えたデータ活用」という点で、私も実際にさまざまな案件で「もとあったExcelの要素分解(DBの世界でいう正規化)」をよくやります。その際に、分解すると集計がおざなりになることが多いので、しっかり「集計アプリ」なるものを活用して、日次・月次・年次などの決まったタイミングで集計ができるような仕組みにしていきます。
例えばプッシュ方式でやろうとすると、子(明細)レコードができたタイミングで、集計アプリに日次・月次・年次などのまとめたい単位のレコードを自動生成させ、そこに関連している情報を、プラグインの活用などで自動集計していく形になります。まさに「プッシュ型」で、データが増えれば増えるほど加算される仕組みです。メリットは「わざわざ集計アプリに手動でレコードを作らなくてもよい」というところです。ただ、この方式だと、「0件」の日・月・年を出したい場合に、集計アプリにレコードができないので、0件レコードを作ることを失念しがちです。データがないものをグラフで表現するのはkintoneであれ他のツールであれそう簡単にはできません。
次にプル方式でやろうとする場合、明細の存在はさておき、集計するアプリの方に、あらかじめ集計したい単位でレコードを作成しておくということになります。その上で、集計結果を引っ張ってくることができるプラグインを準備し、ボタンを手動でクリックする・・・という形になります。これで、集計単位を揃えることができ、任意のタイミングで集計をさせるので、自分の思ったタイミングでできるメリットがある一方で、やらなければずっと集計されないというデメリットが存在します。管理側は自動的に入ってくるデータを見ながら意思決定をしていきたいという気持ちもあるため、そこに手動対応が入ることを嫌う傾向にもあります。
プッシュにもプルにもメリデメは存在します。そこをすべて都合よく自動化してくれるサービスなんかもありますが、もちろん有償。手動で使うプラグインは、ものにもよりますが無償でも対応できるものがあります。
どのように設計をしていくべきか、自分たちチームがどんな業務に着手していくべきか、考えどころはいろいろありそうですね。
もしかしたら、プッシュとプルを両方仕込んでおき、データの微調整のときだけプルを使う・・・なんてことができれば、無償の範囲内でできてしまうかもしれません。(書きながら、これできるぞと思ってます。まだ試してないですが、たいてい描くものはできるものですw)
画像としては入力の部分だけしかお見せできておりませんが、どこかのタイミングで、集計をプッシュとプルの両方使うテクニックは、まとめて紹介していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。